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おしらせ

2014年11月17日ごしょうら島ふ~ど

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2014年4月から11月にかけて、「☆御所浦島おこし隊☆御所浦ふ~ど委員会」が、加工商品の開発・支援事業(*1)を行いました。その取組みの様子、出来上がった新商品(案)等をご紹介します。
※1正式名称は「御所浦地域に根付いた加工商品の開発・販売支援事業」。平成26年度(公財)水俣・芦北地域振興財団地域振興事業採択事業です。

「☆御所浦島おこし隊☆」とは
会を構成するのは、御所浦町の30代の若手を中心としたメンバー14名。 地域にとって必要性が高く、効果が見込める企画であっても、既存団体では実施が難しい、もしくは素早く対応できない事業があります。それらをフットワーク軽く、そして的確に実行していくことのできる団体をつくることが出来ないだろうか。そうした思いから発足した団体です。

「風土に根付いた加工商品をつくろう」

1.事業開始

取り組み開始は4月。御所浦ふ~ど委員会(委員長:森美弥子)が、御所浦の各漁協や観光事業者にも参加を呼びかけ、加工商品の開発・販売支援事業の説明会が開かれました。
生産者と漁協、観光事業者を交え、事業の主旨や御所浦のブランディングに関する意見交換が行われました。

2.専門家からのアドバイス

続いて5月に、御所浦の加工品生産者へのアドバイス会を開催。4名の専門家がアドバイザーとして招聘されました。
永田章一氏
有限会社永田冷菓代表取締役)
豊永正三氏
熊本いきなり団子専門店華まる堂 店長)
野本良平氏
株式会社柿安本店常務執行役員(当時))
林田良平氏
皿山デザイン事務所代表)
アドバイザーから、個々の生産者の商品へのアドバイスとともに、マーケットインの思考やストーリーが大切であるなど、商品開発についての基本となる考え方が示されました。

3.商品開発とブラッシュアップ

アドバイスを受けた生産者が、商品の開発・ブラッシュアップに取り組みます。
永田氏、豊永氏、林田氏の協力のもと、9月までの3ヶ月間、逐次商品開発の現状を共有しながら、のべ7回のブラッシュアップ会議を開き、商品開発を行いました。
ブラッシュアップの会議の雑談の中から産まれた商品もありました。
生産者のひとり、漁師の長塚久江さんが、日頃自宅でつくっていた、ごはんをすりみで包む「おにぎりすりみ」がそれです。食卓にならんでいた一品が、商品化へと進みました。

4.開発された商品を評価

10月にブラッシュアップの総まとめとして審査会を開催。 審査員は、アドバイス会のアドバイザーと同じ4名の方々。
「おにぎりすりみ」や「ふぃっしゅうまい」など、試食と審査に大いに盛り上っていました。
ただ、商品に関しては、味やストーリーが良いものの、大きなビジネスにつなげていくには、原材料入手や商品生産などについての集約・効率化が必要であるという今後の課題が浮き彫りになった会議でもありました。

審査会の中では、「ごしょうら島ふ~ど」の認証制度についても議論され、一定の条件を満たした商品に対して「ごしょうら島ふ~ど認証委員会」が認証を行うことになりました。
こちらは、ブランドの課題として、ブランディングがキチンと機能するためには、魚介であれば、関アジ関サバの一本釣り・出荷直前の活け締めのように一手間二手間以上かけるようなことや、その日の朝に獲れた魚しか使わないといったような、分かりやすく品質の高い取り組みが必要との指摘がありました。

5.くまもと物産フェアで試験販売

11月1日、2日にグランメッセくまもとで行われた「くまもと物産フェア」で、「ごしょうら島ふ~ど」を中心に、新商品の試験販売を行いました。

2014年11月現在、パッケージ等、まだ未完成の部分もありますが、今後も生産者と「御所浦ふ~ど委員会」とで協力し、商品開発を続けていきます。

テキスト:
☆御所浦島おこし隊☆御所浦ふ~ど委員会

 

 

アドバイス会に招聘された4名の専門家。手前から永田氏、豊永氏、野本氏、林田氏。

アドバイス会では生産者からの率直な質問も。

ブラッシュアップ会議は、アドバイス会とうって変わり、膝を突き合わせて。


生産者の自宅でも開催。会議の場所を変えれば、アイデアも出てきます。

審査会では、取り組み当初より商品としてぐっと良くなったものが多くありました。


こんな一風変わったものも。タコの足をつかむと食べやすい。


物産フェア出店の様子。

「2014年11月現在の商品案を一部ご紹介」

ご紹介する商品は、魚介類はもちろんすべて御所浦産100%を使用し、御所浦島民が御所浦内で加工した、おいしく安心な島内生産品です。
御所浦物産館しおさい館にて、近日販売開始を予定しています。

女漁師がつくる!
巳樹のすりみ

島でも人気の「巳樹のすりみ」を様々なバリエーションで展開。
うまみたっぷりのエソやグチ、ハモといった御所浦産の魚100%のすりみにタマネギを加えパン粉をつけたフライタイプや味つけ控えめのライトタイプ、カライモ入りガネアゲ風などなど、女漁師の手づくりの味をご賞味ください。
生産者/長塚巳樹

ご飯がすりみで包まれた!
すりみおにぎり

漁師の長塚さんのお宅の食卓に普段から並んでいたオリジナルな家庭料理。
すりみでご飯を包みこむという、漁家ならではのオドロキの発想。
すりみとご飯のバランスがつくる食感と、そのおいしさにもオドロキです。
商品化のひと工夫に高級オリーブオイルを加えた手づくりのすりみは、くちあたりの良さもひと際です。
生産者/長塚久江

ひと口かじれば、魚のうまみが溢れ出す!
魚肉ソーセージ

不知火海の恵みから産まれた御所浦産魚肉ソーセージ。
普段のおかずやバーベキューのひと品にもおススメです。
はじけるほどに魚の肉汁がつまった魚肉ソーセージは、あっさりとやさしい魚そのものの味。気づけば2本目に自然と手が伸びます。
また、卵と小麦粉を使っていませんので、アレルギーの方でも安心して召し上がっていただけます。
生産者/井坂りか

フィッシュがウマい!
ふぃっしゅうまい
冗談みたいな名前ですが、ホントにおいしい、お魚のしゅうまい。
タケノコ、シイタケ、タマネギが粗みじんで入って、野菜のうまみ・食感と不知火海の恵みが、がっちりとタッグを組みました。
子どもに人気のカレー風味もあり、お弁当のひと品にもうってつけです。
生産者/井坂りか

「天草ごしょうら島ふ~ど」について
島民による認証委員会によって、下記の条件を満たしていることを確認された商品が「天草ごしょうら島ふ~ど」に認証されます。

1.御所浦産の原材料を使用していること
◎すりみ…使用原材料の魚介類の全てが御所浦産であること
◎菓子類…使用原材料に御所浦産のものが含まれていること(例:ちりめん、甘夏)
2.御所浦内で生産されていること
生産する場所が御所浦(御所浦島、牧島、横浦島)であること。
3.商品の完成度(味、パッケージなど)が一定以上であること
4.環境保護や地域活性の指針に沿うものであること

環境保護や地域活性の指針として以下の達成を目指す。
1.地域の生物多様性に寄与する商品であること。
生物多様性とは、生き物の種類の多さのこと。豊かな自然環境であるほど、その地域には多くの種類の生き物がいます。つまり、環境汚染・環境破壊・乱獲などを行わない、環境にやさしい商品であるということです。(エコロジーの観点)
2.地域の味、味覚の教育に寄与し、食の喜びを尊重しそれを普及させるものであること。
御所浦の味や御所浦らしさを伝えていくものであり、かつ原材料を獲ったり育てたりすること、加工・調理すること、食べることに喜びがあるもの。(地域の尊厳)
3.経済的に地域の持続可能性を高める商品であること。
エコロジーの観点や地域の尊厳に基づきながら、売れることで地域の経済に役立つこと。(エコノミーの観点)

2013年09月03日ざぶざぶ海の道2013

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10年ほど前のこと。御所浦で東京の若者たちが、島の子どもたちと大人たちを巻き込んで、なにやら色々とやりはじめた。島のツアーガイドを子どもたちとやってみたり、伝馬舟をこいで島を旅したり。その当時の子どもたちは今はもう立派な大人になって、島を訪れた若者たちは子育てをする世代となった。私もその若者のひとりとして、初めて御所浦を訪れたのが、もうなんだかずっと前のようでもあるし、つい先日のようでもある。

今の子どもたちと、もう一度、伝馬舟で島を渡る。
その日の朝、スタート地点の桟橋に立って思い出したのは、9年前の伝馬舟の旅のときに、みんなでつくった「おかえり」という大きな旗。いつでも迎えてくれるこの島と島の方々に感謝しながら、新しい出会いに期待して、「ざぶざぶ海の道2013」がスタートした。

「旅の相棒、伝馬舟」

この旅の相棒となる伝馬舟は全部で5艘。
御年70歳の幸運丸、60歳の作太郎、若手45歳の三和丸、そして、まだまだピチピチ7歳のだんだん丸とプラウ丸。
それぞれ乗り心地がちがって面白い。

imgまたたびお手製の紙芝居で紹介される旅の相棒たち

imgそれぞれの「相棒」に乗る

「海へこぎ出る」

5艘の伝馬舟に乗って、出発!直後、思わぬ潮に流されて、みんな方々へ散りぢりになってしまったけど、だんだんと調子が出てきて、しっかり進みはじめた。

imgいざ、海へ

img水をしっかりつかんで進みはじめた

img伝馬舟の列が道をしめす

「船でしか行けない浜辺、芳の浦」

芳の浦に近づく。昔は人が住んでいたけれど、今は誰もいない場所だ。
静かな浜に到着するやいなや、みんなは海に飛び込んだ。暑さも和らいで、気持ちよさそう。
そして、お昼ご飯を自分たちの伝馬舟に乗って食べるのは、なんとも良い気分だ。

img伝馬舟の上、特等席での食事は格別だ

imgとりあえず、ひと泳ぎ
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「自分たちのえびす様づくり」

えびす様ってどんな神様?そんな問いからワークショップがはじまった。
昔は、網にひっかかっためずらしい石やらを神様に見立てて、大漁祈願をしたのがえびす様のはじまりだそうな。
いろいろなものが打ち寄せられている芳の浦で、自分が「いいなー」と思うものを探してきて、えびす様をつくる。きれいな石や貝殻を集めたり、巨大な浮きや流木を運んできたり。
それぞれ、興味をひくものはちがっている。

imgえびす様の顔ですか?

img鼻の電球がピカ!ってしそう

imgどうやって立てようか

img絶妙なバランスで①

img絶妙なバランスで②

img神殿のような空間に。ひょっとしてあなたが!?

img空を仰ぐ大きなえびす様の顔

imgみんなのえびす様、芳の浦にこのままにしておこう

できあがったみんなのえびす様たちは、そのままにして、芳の浦を後にした。
今頃、えびす様たちはどうしているだろう?

「次の目的地へ出発」

凪いだ海を伝馬舟で行くのはとても気持ちがいい。エンジンの音も無く静か。
時折、「ギー、コー」と櫓(ろ)と櫓杭(ろぐい)がこすれる音がするだけ。仲間の舟と並走しながら、話をしたり、競争をしたり。
楽しみ方はいっぱいある。通り雨がぱらぱら降って、気持ちよかった。

img海に浮かぶ舟の向こうに島々が見える

img並ぶと、負けられない!櫓こぎの競走がはじまる!

img1日目の最終目的地に無事に到着。これから「あこうの里」で今日の旅を振り返る。
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「一日の終わりに」

本日の目的地に無事に到着したみんな。長い距離をこいだ分、みんないい顔してた。
航海日誌に今日の航路を書き加えていくのも、なんだか誇らしげ。

おやつに長井サユミさんがつくってくれた「牧島だご」をいただいた。アコウの葉っぱに包まれた「牧島だご」、普通のあんこと白あんどちらにしようかな。

アコウの木が島で重要な役割を果たしていたことも教えてもらった。伝馬舟が活躍していた時代に、海岸線を守っていたのがアコウの木。
なんだかその時代にちょっと近づいた気分。

それからそれから、海の面白い知恵も教えてもらった。
海に入って寒くなったときには、お日さまで暖まった石にキスすると身体も暖まるんだって!やってみよう。

img海の道を確認。どこを通ったんだろう?

imgどっちのだごにしようかな

img長井サユミさんにアコウの木の話や昔の話を教えてもらう
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「二日目のはじまり」

img今日もたのむぞ!相棒たち

imgきれいに列をつくってスタート!

昨日一日で、すっかり仲間になった船員たち。息も合って、順調にこぎ出した。

「櫓をこぐ子ども」

伝馬舟のへさき(舟の先端)に座ってとも(舟の後ろ)の方を眺めると、櫓をこぐ子どもたちの凛々しい顔が目に飛び込んでくる。
全身を使って櫓をこぎながら、みんなはよく笑っている。表情は柔らかく、ほころんだり、緊張したり。
みんなの視線は海の先へと向けられて、交わることはない。
そのしっかりした眼差しに安心して、この海の道の行く先をみんなに任せてしまう。
最短距離のまっすぐではなく、ゆらりとゆられ、たゆたって、海の道をざぶざぶ進む。

 img伝馬舟を漕いでいるみんな。いい顔をしている。

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「船と共に海で遊ぶ」

離れ小島の弁天島に到着。待ってましたとばかりに、みんなで海に飛び込んだ。
伝馬舟にしがみついて引っ張られたり、這い上がっては、飛び込んでをくり返す。
伝馬舟と遊び、海を楽しむ。ただただ単純なことがこんなにも楽しい。素潜りで貝をとってきた人や、タコをつり上げた人もいた。
タコはその場で焼いて、お昼ご飯のおかずが増えたのだった。

img釣られたタコ「吸い付くぅぅ」

img泳ぎつかれたら伝馬舟の上で休憩

imgのぼれない!

imgとべっ!

imgプカプカ浮かぶ

img大漁

img焼かれてしまった

「小さな島の音を探す」

弁天島にまつられている弁天様は、音楽の神様でもある。この島にはどんな音楽があるのか、みんなで音を探しにいった。
息をひそめて、耳を澄ますと、とたんに色々な音が聞こえてきた。
本当は聞こえないかもしれない音だって、想像して、聞いてみる。波の寄せる音、カラスの声、遠くの船の音、トンビの声、セミの声、ヤドカリの足音、クモの巣が切れる音、石と貝殻がぶつかる音、風が通る音。集めた音を自分の声にしてみる。
みんなの声が1つずつ重なっていくと、島の音にも重なって、馴染んで、ゆっくり消えていった。

img弁天様の前で島の音について話した

img弁天島を歩いて音を探す

imgみんなで見つけた弁天島の音を奏でる

「ゴールは間近に!最後のひとこぎ」

ゴール間際、大浦ではイワシの群れに遭遇した。キラキラと光を反射しながら、伝馬舟の下を泳いでいく群れに、みんなで驚き、喜んだ。
群れからはぐれた1匹は、誰かの口の中に飛び込んだ。

imgはぐれたイワシ

「クラゲ弾」

後ろの船で何やら怪しいうごきが。手にはクラゲの入ったアカとり用のペットボトル。
クラゲ弾を仕込んでいる模様。その異変に気づき、こちらはスピードを上げて距離をとる。
しかし、ついに追いつかれ、クラゲ弾をくらってしまう!こちらも負けないぞ!
生き物で遊ぶのはちょっと不謹慎かもしれないけれど、クラゲを投げ合うなんて、とっても楽しい遊びだ。

img背後に忍び寄る一団

img受けて立とう

imgやめてー!きゃっ!きゃっ!

「みんなの物語」

ゴールの港に着いて、みんなでこの旅の思い出を絵に描いた。仲間の絵を見ていくうちに、たくさんの場面が思い出される。
絵を並べてみると、みんなのざぶざぶ海の道の物語がうかんでくる。
たった二日間のあっという間の旅だったけど、みんないろんなものを見て、感じられたんじゃないかな。

img何が一番楽しかった?

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img自分の絵をみんなに話す

img旅の記念の集合写真

最後は記念撮影をしておしまい。
みんな、いい表情してる!楽しかったね。
またいつか、いっしょに、ざぶざぶ海の道をこぎましょう!!

記事:北村 史 (またたび)

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ざぶざぶ海の道2013

日程:
2013年8月5日(月)・6日(火)

航路:
8月5日(月)長浦→芳の浦→あこうの里
8月6日(火)唐木崎→弁天島→大浦

参加者:
天草市内の小学校2年生~中学校1年生
ならびに、帰省中の子ども

主催: 御所浦アイランドツーリズム推進協議会、御所浦伝馬舟愛好会
共催: またたび
助成: (財)日本離島センター

後援: 天草市教育委員会
協力: 御所浦.net、ビオアイランドネットワーク、御所浦ジオツーリズムガイドの会