ごしょんなで民泊

~民泊で島の生活にふれる~

御所浦では2002年から、修学旅行生を対象に「民泊」が行われています。
御所浦の民泊では、漁業や農家を営む家庭が、島の暮らしそのままに訪れた人を受け入れています。

御所浦で1997年に恐竜の化石が発見されてから、化石体験を中心とした修学旅行生がくるようになりました。
その修学旅行生たちに、より御所浦の魅力を伝えられればと、2001年に官民合同で「御所浦アイランドツーリズム協議会」が発足し、島のツーリズムを考えるうえで取り入れられたのが、島そのものの体験、「民泊」でした。

2007年現在、民泊をはじめて7年目。
御所浦ではこれまでに、西日本の中学校を中心に毎年10校ほど、約1000名の修学旅行生を受け入れています。
修学旅行生向けに、島の民家宿泊とともに、御所浦で営まれる昔ながらのとんとこ漁や養殖餌付け、みかんちぎりなどの体験メニューがあり、漁業、養殖、農業などを中心とした地域の人々の暮らし、文化を身近に触れることができる体験型ツアーを行っています。


■民家でふれ合う
「大体、御所浦の家って都会と違って広いですからね。でんぐり返しする子とかもいます。」
「子供たちの将来のこととか聞きます将来何になりたい?どういう学校に行きたい?とか部活は何をしてるのとか。答えてくれるから、そしたらこがんしないといけんよ。とかこうしたがいいねっていう話しをするんです。」
と御所浦で海運業を営む山並照美さんは、民泊に来た子どもたちのことをうれしそうに話す。

山並さんのお宅では1回の民泊で4、5人受け入れており、修学旅行の体験学習として、さまざまな地域から子どもたちが訪れます。
ほどんどの生徒たちにとって他人の家に泊まるのは、初めての体験。 最初のうちはみな緊張しています。
けれど、山並さんと おしゃべりをし、 いっしょに魚を捌き、晩ごはんをつくり 、家族のように過ごすなかで、しだいに心もほぐれてゆくのです。

「こっちの美味しいもの全部食べてもらいたい。」
という山並さんの食卓には地元の野菜や海産物を使ったおいしい郷土料理が並びます。
山並さん一家と共に食卓を囲み、子どもたちもみな、 親戚の家に遊びにいったような気持ちになり、御所浦の晩ごはんに会話もはずみます。

帰りの船。昔懐かしい紙テープで子どもたち達を見送ります。
一泊だけの宿泊であっても、別れに涙を浮かべる子もいます。

「大学生になったら遊びに来たいって言ってくれる子もいます。「遊びに来てもいいですか?」って。おいでいつでもおいでっていうんです。来てくれた子が大人になって来てくれたら嬉しいですね。」
と山並さん。
御所浦の民泊では、 地域の人と訪れた子どもたちとの間に、深い交流が生まれています。





■民泊のこれから
2007年7月に熊本県から農林漁家体験民宿として簡易宿所の許可を受けた御所浦の民家は28軒。
各民家で、磯遊びや山菜取り、みかんちぎり、魚とり、伝馬舟漕ぎなどなど、それぞれ個性のある内容で、訪れた人を島の暮らしへ引き入れてくれます。
ただ名所を巡るだけのいわゆる観光ツアーでの宿泊とは異なる、地域の美しい景観と共にある人々の実生活に触れることのできる民泊。
今後、御所浦の民泊では修学旅行生以外にも、大学生、社会人、リタイヤ夫婦などさまざまな方の受け入れも視野に入れています。
島の新たなツーリズムの可能性は広がります。

※タイトルの「ごしょんな」は方言で「御所浦」の意



■お問い合わせ 御所浦アイランドツーリズム推進協議会
〒866-0334 熊本県天草市御所浦町牧島219‐2
TEL 0969-67-1080 FAX 0969-6-1080(事務局 三宅)
E-mail:m-h1954@theia.ocn.ne.jp