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イルカしぇんしぇい
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長浦トンネルと牧ノ島トンネルの間、旧牧島小学校の前の入り江で2006年2月からイルカが飼育されているのをご存知でしょうか?
このイルカは2005年4月に開校した通信制の高校、勇志国際高等学校が飼育している、オスのバンドウイルカで名前は「カイ」と言います。

カイは、普段は勇士国際高校の授業の一環として生徒と触れ合っていますが、授業がないときはどなたでも見学することができます。カイは自然の海からやってきたイルカですが、2007年2月21日で御所浦の海に来て一年が経ちます。
そして、私もイルカの飼育員として東京から御所浦にやって来て一年を迎えようとしています。

イルカがやってきた当初、子供やお孫さんにイルカを見せたいとおっしゃる方、魚がいなくなるのではないかと心配される漁師さんなど、毎日ように生簀はたくさんの方が来られました。
その方々に名札を下げた私が自己紹介から始めると
「どっから来たと?」
「東京!!?めずらしかにゃ〜、こげん何もなかとこに来て」
とビックリされる方が多くて、きっと一ヶ月もしないうちに帰るだろうと思われていた方も多かったはずです。(笑)

御所浦に来て最初のうちは、イルカの生簀の近くのおばちゃんの家に居候としてお世話になっていました。
「ひゃ〜、良く来たね。何かの縁で一緒に暮らすことになったから仲良くしようね」
と、満面の笑みで私を迎えてくれたおばちゃんに、ほっとしたのを覚えています。

何の不自由もなく、娘のように接していただいた約4ヶ月の居候でしたが、今だから正直に話すと2つだけ困った事がありました。 晩御飯の時間と、門限です。
おばちゃんの夕飯の時間は?と聞くと
「だいたい、5時くらいやもねぇ」との答え。
私の仕事は最低で6時半まではかかります…結局おばちゃんはいつも帰りを待っていてくれました。
そして門限。「嫁入り前の娘がおそまで(遅くまで)出とったらいかんよ。遅くても9時にはかえらにゃ」新入社員の私は歓迎会で居候早々に門限を破り、上司がわざわざおばちゃんに謝りに来てくれたこともありました(笑)。

おばちゃんとは今でも、電気のカバーを換えに行ったり、ご飯をご馳走になったり、とても仲良くしていただいています。ホームシックにかからなかったのは、おばちゃんと、生簀やイルカを通して知り合った島の方々の暖かさのおかげです。

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生簀は島の方と知り合いになるきっかけの場所、散歩途中の休憩の場所、ちびっ子達の遊び場所となるだけでなく、時には私の御所浦弁会話教室にもなります。
御所浦にきて一番苦労した(未だにしている)のは、やはり言葉の壁です(笑)。御所浦の中でも集落ごとに話し方が少しずつ違うことや、特に年配の方が使われる言葉はなかなか理解するのが難しいのです…。
ですが、これも皆さんと話すうちに、少しずつスムーズに会話することができるようになってきたのです。

ちなみに、私が最初に憶えた御所浦弁は、そんな生簀に来る島の方々の口から何度となく聞いた「こんイルカはみぞかにゃ〜」と言う言葉でした。
「みぞか」は「かわいい」と言う意味。飼育者としてイルカを褒めていただいてうれしい限りです。ただし、似た音の「みぞげ」という言葉には困りました。「みぞか」と似ていますが「みぞげ」は「かわいそう」という意味。
「こんイルカはみぞげな」と言われて、間違えて「はい、そうですね」と堂々と答えてしまうと、飼育者として少し問題発言になってしまうので難しいところです。

御所浦にやって来て1年。今では、イルカや生簀での出会いを通じて御所浦の方々と顔馴染みになり、島を歩いていて「イルカんしぇんしぇい」と声をかけていただけるようになりました。
生簀の前を通る自家用車、バスの運転手さん、御所浦タクシーや病院の車、時には消防車の方などもクラクションを鳴らして挨拶してくれたり、手を振ってくれます。 だいぶ御所浦に馴染んできているのではないでしょうか?

みなさん、御所浦に帰省、来島の際にはぜひ、イルカの様子を覗きにきてください。



記事:勇志国際高等学校職員イルカ飼育担当

勇志国際高等学校
〒866-0334 熊本県天草市御所浦町牧島1065―3
http://www.yushi-kokusai.jp/
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